2013年4月16日火曜日

JAMIE LIDELL 「Compass」


おれたちのジェイミー兄貴がな、な、何とあのBECK全面協力の下、創った作品。2010年四枚目。もちろんWarpより。
BECKだけでなく、レーベルメイトでブルックリンのバンド・GRIZZLY BEARのクリス・テイラーだって全面参加なのを忘れてもらっては困る

おっとなー! な路線の前作よりも拡散志向。
いつも通り、お得意のヒューマンビートボックスを駆使したM-01も、しっとりファンクネス曲のM-03も、PRINCE様リスペクトのディフォルメファンクチューン:M-04も、パワフルナンバーのM-07もある。
ただやはり、M-05のようなシンセを巧く使った古臭いポップセンスの曲(蛇足ながら、東京生まれの女性米国人シンガー:ニッカ・コスタ参加)や、アコギとオーケストラとカスタネットに後半のトライバル風ヴォーカルが異国情緒と哀愁を誘うM-10や、まんまBECKがメインを歌っても(コーラスではテイラーと共に参加)おかしくないM-13や、ラストに相応しい厳粛なM-14など、今までとは毛色が違うトラックも外部のインプットあってのこと。
また、活きの良いファンクナンバーにおける、女性がおもわず腰をくねらせてしまうであろうぶっといグルーヴ感も今までに欲しかった部分であり、彼がこの路線で更に上昇する上で不可欠な要素を取り込んだことになる。

この通り、既存のスタイル、新風を巻き込んだ部分、どちらも美味しくマイルドブレンドされている上、どの曲も粒揃いでおしなべて質が高い。
今まで互助関係だったMOCKYと別の道を歩み、活動拠点をパリからNYCに変え、新たな一歩を踏み出したリデルにとって良いターニングポイント作となったことだろう。
無論、彼自身のアクの強さ個性が、他の誰と組んでも当たり負けしない強靭さを有していた証明にもなっている。
そろそろ、UK変態ファンクアイコンとしての兄貴を称えるべきでしょうよ!

……いや、作中のところどころ、BECKの書く歌メロと自身のキーが合わず、声が出切ってない部分も……あったりね。
それは彼が、まだまだ上を目指せるアーティストだから、ってことデスヨ!?

M-01 Completely Exposed
M-02 Your Sweet Boom
M-03 She Needs Me
M-04 I Wanna Be Your Telephone
M-05 Enough's Enough
M-06 The Ring
M-07 You Are Waking
M-08 I Can Love Again
M-09 It's A Kiss
M-10 Compass
M-11 Gypsy Blood
M-12 Coma Chameleon
M-13 Big Drift
M-14 You See My Light
M-15 Black Hole Man (Bonus Track For Japan)

日本盤のボートラM-15はココだけでしか聴けないが、テキトーに組んだいい加減な曲なので特に頓着する必要はナシ。輸入盤で十分。
それよりもUK特別盤には:
M-01 I Turn It Around
M-02 Lies Inside
M-03 Your Sweet Boom Dub
M-04 Pat's Compass
M-05 Lies Inside Cold Dub
:と、本作メイキング映像が収められた二枚組となっている。けどタイトル見る限り、M-03以降が今までの日本盤に付けてきた押し付けボートラ臭いんだよなあ。





0 件のコメント:

コメントを投稿