2013年4月22日月曜日

ISIS 「Celestial + SGNL>05」


当ブログでやたら名の挙がる、Hydra Head Recordsオーナー:アーロン・ターナー率いる五人組ヘヴィネスバンド。RED SPAROWESのブライアント・クリフォード・メイヤーも在籍。
本作は2000年にEscape Artist Recordsから出した初フルアルバムと、その連作に当たるNeurot Recordings(NEUROSIS運営)より切った翌2001年発表のミニアルバムを合わせ、日本のみの二枚組便利盤仕様(同2001年発売)にしたもの。それが、リマスターとボートラのライヴ音源を加えて2010年に再発された。
ジャケデザインは当然、ターナー自身。

この界隈に蔓延る〝BLACK SABBATH症〟とも言うべき籠もったダウンチューニングのヘヴィリフではなく、モダンへヴィネス以降の低音ブーストした音密度の圧縮リフを振り下ろす、よくよく考えてみれば珍しいタイプ。曲調はミッドテンポを堅持。ターナーのモノトーンな咆哮ヴォーカルはあくまでおまけ。
そこへ強弱法を多用し、音のメリハリをつけていく一方、手を替え品を替えた音工作をさり気なく絡めていくのが彼らのメソッド。
M-02では、前半でインダストリアルちっくなループを被せ、目を見張らせたかと思えば、その後半で後にメイヤーがRED SPAROWESで大々的に展開する叙情的なパートへとシフトする、大胆巧みな構成が光る。
またギターの鳴り方にも相当気を配っており、静のパートではただ弦を爪弾くだけでなく、聴き心地良さそうな音をリアルタイムで模索するようなサイケデリックな音色を耳一杯に広げる場合もある。完全インストのM-06では、オケヒットならぬバンドヒットを執拗に連発する中、ギターがフィードバックでそれにシンクロさせ、躍動感のみでは留まらぬ妙な酩酊感を齎すことにも成功している。

なるほど、〝Thinking Man's Metal〟と呼ばれただけはある。

ただしこれ以降、考え過ぎと言うか根っ子のハードコアを忘れたカナリアと言うか、それなりにヘヴィで適度に練って鳴りを重視し、ポストロックを思わせる作風へと〝進化〟していく。
だが筆者はこの、メーターを振り切った破壊的な動の力と、音の粒が芽吹く再生的な静の心が高度で備わった本作こそ傑作だと思うのだが、如何であろう。
つか以降は中途半端で子供騙しだと思うけどなー。録音状態もトリップ感を視野に入れているクセに、音像の内側でもこもこしてて気持良くないしー。何でかなー、おかしいなー。

Disc-1 「Celestial」
M-01 SGNL>01
M-02 Celestial (The Tower)
M-03 Glisten
M-04 Swarm Reigns (Down)
M-05 SGNL>02
M-06 Deconstructing Towers
M-07 SGNL>03
M-08 Collapse And Crush
M-09 C.F.T. (New Circuitry And Continued Evolution)
M-10 Gentle Time
M-11 SGNL>04
M-12 Glisten (Live)
M-13 Gentle Time (Live)
Disc-2 「SGNL>5」
M-01 SGNL>05 (Final Transmission)
M-02 Divine Mother (The Tower Crumbles)
M-03 Beneath Below
M-04 Constructing Towers
M-05 Celestial (Signal Fills The Void)
M-06 CFT (Live)

US盤は「Celestial」単体売りで2013年、後のバンド解散(2010年)まで所属したIpecac Recordings(マイク・パットン将軍主宰)にて再発されている。


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