2012年2月28日火曜日

RED SNAPPER 「Prince Blimey」


退廃メタルっぽいジャケだなあ。
人力アブストラクトトリオによる初フル音源。1996年作。

ハナのM-01からドラムンベースを人力でかっ飛ばす。まだこのジャンルがシーンに風穴を空ける前のこの当時、バンドでコレを演っているのは衝撃だったのでは。
そもそもこのドラムとダブルベースとギターの三人は結成以前からキャリアも豊富で、ミュージシャンシップも非常に高い上に、シーンも良く見渡せる環境に居た。『カッコイイし、全然演れっし、いくか』くらいの軽いノリだったかも知れない。
このように〝良い音を事前にキャッチする〟高感度のアンテナも持ち合わせてたからこそ、UKクラブシーンの大黒柱インディー・Warp Recordsと契約出来て、このような完成度の高いアルバムでデビューを飾れたのであろう。

今考えれば、彼らはリズムセクションのキャラが非常に立ったバンド。ドラムンベースの方法論は必然なのだが。

輪郭のはっきりしたビートと、ぐいぐい曲を引っ張って行くダブルベースの強力なリズムセクションに、リヴァーブを掛けまくったギターを乗せるのが彼ら本来のスタイル。そこへサックスやクラリネットなどの管楽器を派手に織り込む。
次作では地味な扱いを受けていたこのギターが意外に曲者。湿った残響音がダビーなエフェクトっぽい質感となり、このバンドの音楽性にマッチすることすること。
アブストラクト/ダウンテンポ(当時の呼称・トリップホップ)がブレイクビーツにダブを馴染ませたジャンルなのは言うまでもない。

この通り、完成度と大衆性は二枚目に譲るとして、バンドとしてのアンサンブルと個性に関してはこちらが勝る。
うねりまくるベースラインと唸りまくるサックスがKING CRIMSONのアレの中間部を髣髴とさせるM-04のようなトラックもあるし、意外とクラブ系に興味のないロック好きでもイケるんじゃないのかなあ。

M-01 Crusoe Takes A Trip
M-02 3 Strikes And You're Out
M-03 Thomas The Fib
M-04 Get Some Sleep Tiger
M-05 Fatboy's Dust
M-06 Moonbuggy
M-07 The Paranoid
M-08 Space Sickness
M-09 The Last One
M-10 Digging Doctor What What
M-11 Gridlock
M-12 Lo-Beam


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