2011年11月2日水曜日

BIBIO 「Ambivalence Avenue」


英国人、ステファン・ウィルキンソンによる、Warp Records移籍初のアルバム。2009年作品で、通算は四枚目にあたる。

宣材としてL.L.BeanAdult SwinToyotaなどが彼の音を使い、フライフィッシングに用いる毛針の種類を名に冠した通りのサウンド。
色を付けるとすればセピア色の音像に、山にも閑静な住宅街にも似合うアウトドア志向の生音系エレクトロニカ――とまで書けばもう、音が思い浮かびそうな。

とは言え、彼の影響土壌の一つであるBOARDS OF CANADAの弟の方、マーカス・イオンより紹介を受けたMush Records所属の頃から随分と様変わりした印象。
テレコで録ったような、もこもこした音像が幾分かはっきり、くっきりした。
電子音の含有率が増え、しかも効果的に扱えるようになった。
ボトムにブレイクビーツを敷くことで、音にダイナミズムが生まれた。
もちろんあのもこもこした音が、BIBIOならではの郷愁を誘う古臭さを強烈に演出していた点は否めない。ビートなんか要らない、あのサイケフォークみたいな音世界が良かったんだ! という意見もあるだろう。
フィールドレコーディングをサンプリングソースとして使っている点は以前と変わらないが、その素材の選び方がBOC風になったんじゃないか、とか。電子音の使い方に、仲の良いCLARKからの影響が見て取れる、とか。まだまだ難癖つぷつぷ。

でもあのまま同じ音を周りが強いていたら、あまりの窮屈さに音を上げていたのでは?
現に二枚目「Hand Cranked」(2006年作)と三枚目「Vignetting The Compost」(2009年作)にはそれほど差異はなかった。
三枚目と本作である四枚目との間隔がわずか四ヵ月半。(憶測だが、三枚目は身辺整理盤なんじゃなかろうか。内容は良かったので、あまり響きの悪い言葉を使いたくないのだが)
人脈が一所に収まりたがらないニカ人種ばかり。
しかも出来栄えは、新章突入を高らかに告げる充実の内容。
もう好きに演らせてあげようよー。

と、改変部分が非常に目立つので大改革したと思われがちだが、M-03、M-07、M-08、M-10には以前の感覚が色濃く残っている。
これらをあの〝まるでテレコ録音〟で再生すれば、とたんに元通り! 逆にシーンを代表する大手インディーズの力をひしひしと感じるはず。
その管理体制が嫌だって? 元々が「A.I.」以後のWarp勢に憧れて音楽を始めた人。コレは必然なのだよ。

(2011/5/20執筆文を大幅改筆)

M-01 Ambivalence Avenue
M-02 Jealous Of Roses
M-03 All The Flowers
M-04 Fire Ant
M-05 Haikuesque (When She Laughs)
M-06 Sugarette
M-07 Lovers' Carvings
M-08 Abrasion
M-09 S'Vive
M-10 The Palm Of Your Wave
M-11 Cry! Baby!
M-12 Dwrcan


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